法律をもっと深く

勉強を始めて見るとそんなに甘くない。

周りは法学部の現学生、卒業したばかりの人で、若い人ばかり。

卒業して3年位経っている男性は、弁護士にかけている風で、服は粗末で靴や靴下には穴が空いている。でも彼はよく笑って明るい。

そんな人達も私を受け入れてくれて、「一緒に頑張りましょう」と言ってくれる。

分からない事があれば教えてくれるし、ノートを貸してくれる事もある。みんな優しい。

先生は名物講師(現弁護士)で、授業も上手。

しゃべり疲れるとチューブの練乳を、チューブから直接なめて

「これは大好物。これで又口が滑らかに動く」と言い、みんなの笑いを誘う。

予備校では私も楽しく勉強することが出来た。

しかし、勉強範囲が多く、憲法民法・刑法・商法・行政法刑事訴訟法等々、勉強することが山ほどある。

会社をしながら、主婦をしながら予備校に通い勉強をしたけれど、体を壊しそうに疲れた。睡眠時間も少なく、フラフラの毎日で、病気になってしまいそう。

夫も「そんなに抱え込むと体が壊れるよ。不動産か弁護士、どちらかに絞った方が良いよ」と言う。

どっちにしよう、ここが人生の分かれ道、どっちにしよう?と悩んだ。

家庭の事も十分できず、夫にも娘にも迷惑をかけていることは分かっていた。

司法試験は易しくないという事も分かったし、たっぷり時間がある独身ではないし、これから先、何年頑張らなければならないか分からない。

あまり勉強ばかりしていると、家族崩壊?

それは困る。と思うと、悩んだ末、諦めてやはり不動産1本にしようと決めた。

とうとう1年で根を上げてしまった。

諦めることは、少し心の傷になったが、法律も不動産に関連する知識部分を掘り下げれば間に合う、と考え、気楽に楽しく仕事をしようと思った。       

しかし、早稲田司法試験セミナーで学んだ法律知識や物の考え方、事案の対処の仕方は私を大きく変えた。                

仕事の上でも法律的な視点から物事の判断をすることが出来るようになり、解決の仕方やすべき事が明確に分かるようになり、その後の仕事に大いに役立ったし、自信につながった。

心の傷よりも、前向きに良い方に考えよう。

考え方には表と裏がある。明暗だ。

明るい方が良いよね。

早稲田セミナーで一緒だった、当時学生だった女性と文通していたが、2年後司法試験に合格した知らせをもらった。嬉しかった。

女性が社会で活躍していくのは、私も心が躍る。頑張ってほしい。

さあ、私は不動産で頑張ろう。