会社を始めて1年半を過ぎた頃、営業マン風の若い女性が訪ねてきた。
話を聞くと、「女性で起業した人を訪ねて統計をとっています」と言う
「なぜ会社を作ったのか、この業種を選んだのは?」と聞かれた。
自信をもって答えられなかった。
「社会と関わりたかった。宅建の資格を取ったから。宅建は不動産関係だから」
と言う曖昧な返事しか出来なかった。
彼女の話によると、新規企業は大体3年が分かれ道で、経営が続く会社は3年ラインを超えて行くが、うまくいかない会社は3年以内で消えていく、と言う。
そうなのか、3年がまず第一目標なのだ。
3年?3と言う数字はどこかで聞いた。
2階の社長も(3年で税務所の査察)とか言っていた。
3年と言うのは、何かにつけ変化のある数字なのかな?
それ以来私は3を意識するようになった。
しかし、私は3年で(税金を逃れる為に)引っ越しをする事は出来ない。
開店して3ヶ月位した頃、お客様が入って来た。
(アットホームの営業マンの勧めで、外に向けて広告を出してある)困ったと思ったけれど、ここは度胸。
「いらっしゃいませ」と話を聞いた。
運よく優しい女性のお客様で、二人でチラシを見ながらおしゃべりするつもりで接客した。何とか上手くいったように思った。
2日後そのお客様が又来た。先日のチラシのお部屋を見たいという。
どうしようとビックリした。
二人でお部屋を見に行った。
お客様はここに決めますと言ってくれたが、申し込みするお客は初めて、(どういう
手順で進める?私の頭はパニック状態。冷静にならないと・・)
申込書に、住所・職業・年齢等を書いてもらってそのお部屋を管理している不動産屋さんにFAXした。
OKが出てお話が順調に進み、仲介手数料というものをもらった。
「ありがとうございます」
のんびりやっていれば、いつか芽が出る花が咲く、かもね。
法学部で感じたことは、不動産の仕事をする上でも、やはり法律は重要だという思いは
常に感じていた。
もう少し深く知りたいと思い、高田馬場にある、早稲田司法試験セミナーに入学して
勉強しようと思った。
会社もそんなに忙しくなく、弁護士もいいな、という甘い気持ちもあった。