不動産の仕事から随分離れてしまいました。
3月の末に渋谷の開発ブロックの説明会が2日に分けて開かれました。
基本設計は日建設計
デザインアドバイザーは、建築家平田晃久氏です。
初日に出席した地権者は70人位だったでしょうか?
地権者は高齢の方が多く、渋谷は「谷」ですから、要望として、
「車いすの移動がスムーズに出来るようにして欲しい。
車いす用のエレベーターが足らない。」
と言う意見がいくつかありました。
開発チームからは、
「桜丘なので、桜をメインにして、桜の名所にして、○○桜・□□桜でと
桜・桜・桜と連発しています。」
私も桜は大好きですが、桜一点に傾くだけではなく、
「もっと文化的な思想の面も取り入れた、若い世代が輝く街であって欲しい。」
と思い後日、アンケート用紙に私の私見(別紙の用紙2枚)も書いて送りました。
しかし、個々の地権者の意見がどれだけ反映されるかは疑問です。
兎に角、完成は7~8年は掛かるとか。
「忘れられない賃借人」の藤森さんに貸していた西新宿の店舗は、
当社で使用しようと思い、事務所仕様に変更しました。
管理会社(三菱地所コミュニティー)や管理人、専属の空調屋、防災設備屋とも
色々もめごとが有りました。
管理会社は、
・他のテナントに迷惑が掛からないようにとか、
・あれこれ書類を出せ。書類を出してから工事の着工だ。とか
(書類は1度出せば良いのではなく、大工工事は大工工事で、
スクリンプラーはスクリンプラーで、といった具合です)
・○○曜日は仕事をしてはいけないとか、
・資材を○○して運べとか、
・電気関係の工事をする時は、マンションの専属の防災会社に連絡して日時を
決めなければマンション全体の電気がダウンしてしまう。とか
兎に角うるさい事、脅すような事ばかり言われ、工事人もせっかく来たのに、
出直すことになったりしました。
「こんなうるさい所はいやだ」と、管理人と喧嘩して、やめて帰っていく
工事人もいました。
こちらは新しい工事人を探さなければなりませんでした。
工事人が、管理会社や管理人に言っても聞き入れないので(ホント偉そうにしている)、私が窓口にならなければなりませんでした。
お互い主張し合いました。
管理会社の担当者(28才の若い人)は千代田区から来るので、
曜日や時間を打ち合わせたり、これも面倒。
一歩進むのに、2倍も3倍も時間が掛かる。
「工事の手順のキチンとしたマニュアルはないのか?他のテナントが工事をする時も同じなのか?」と聞くと、
「ここまで大掛かりに改装するのは、私も初めてで、分からない事もあり、迷惑を掛ける事になった点があり、すみませんでした。」
と、態度が若干軟化したので、頭に来ていた私も、少しだけ気が休まりました。
ビル専属の工事屋も日程の調整とかで、時間が掛かり段取りよく進めることが出来ず、
トロトロした工事でした。
トロトロながら、少しずつ進みました。
以前は店舗だったので、兎に角スケルトン状態にしました。
部屋の間取りとか、業者に任せるのではなく、全て私が設計しました。
床材・クロス・キッチン・照明・ドア等も業者が持って来るカタログから
だけではなく、
私好みの部材を選びました。
そして、1年掛けて、何とか無事工事を終えることが出来ました。
工事資材が上がっている中、費用も当初よりどんどん上がって2倍近く掛かりました。
長かったー。
しかし、先日放送された、NHK「プロジェクトXの黒四ダム」の再放送を見ると、
とても大変。
それを思えば、こちらの工事なんて工事のうちに入らない。大したことがなくて
苦労している私が恥ずかしい。
しかし、1から作り上げた状態ですので、
いつも頭の中は工事の事(少しの寸法違いでも狂ってくるので)、部屋の間取り、備品の事などを考えていました。
寝ている間も考えている様で、起きたらすぐ工事の話をするので、
家族に笑われました。
でも、不思議な事ですが、寝ている時に良いアイデアや解決策が
浮かんだりするのです。
全体の図面・細部の図面・スプリンクラーの位置に合わせて
ファンコイルの位置・照明の位置・寸法の書き直し等、
何度も色々図面を書きました。
大きな工事をされている方からすれば笑われるでしょうが、
私にすれば、結構大変で、
疲れました。
不動産屋らしくない事務所が出来ました。
元々、変な不動産屋(不動産屋と言っても、買って売る会社)ですから、
こんな事務所が気に入っています。
当社も少しは貯えが出来、所有のマンションもいくつか有り、賃料収入も出来ました。
今後はこの場所に事務所を移し、
これからは、のんびりと仕事を続けていければと思っています。
皆様へ
いつもブログを見て戴き誠に有り難うございます。
渋谷から新宿へ、移転の為の役所への届け、登記変更、事務所の準備等があり、
暫くお休みさせて戴こうと思います。
皆様には感謝の気持ちで一杯です。