売買契約のドタキャン
順調にいく話ばかりではない。千葉にある物件で、パークハウス、約72㎡のマンションを売りに出した時の事。
仲介の業者さんが案内してくれ、お客様が気に入ってくれて、お申込みが入りました。
契約日も順調に決まり契約当日、準備をして忘れ物はないか確認。
さあ出発、と言う時に電話が掛かって来た。
買主側の業者だった。
「キャンセルの電話が入りました申し訳ございません」
契約日当日の朝にこんな事は初めてだった。
電話を受けた時は、ポカーンとした。
気を取り直して理由を聞くと、
「知り合いの、大手ゼネコンに勤務している人に相談したら良くないことを言われたらしい」
買主側の業者は、
「今からお客さんの所に説得に行ってきます」と言うが、
これは無理だろうと思った。
「良くない」と言う意見を一度聞くと、人の気持ちは前に進まないものです。
「ご連絡有難うございます。でもあまり無理はしないで下さい。
又良いお客様をご紹介下さい」と言って電話を切った。
いわゆる「ドタキャン」ってこんな事なんだ。初めての経験だった。
でも、売買を依頼されたお客様の物件ではなく、
当社所有の物件だから、気持ちは軽かった。
その日は気分を変える為奮発して、レストランで5,000円のランチを食べた。
翌日、業者から「ダメでした」と連絡がありました。
その1ヶ月後、別の業者さんでお客さんが付き、契約も順調に進んだ。
そのお客さんは「このマンションを買いたかった」と喜んで戴いた。
業法違反 1
自社所有で売主の場合には起きない事だけれど、
戸建てを売って欲しいと言うお客様に頼まれた時のお話です。
当社は不動産業者ですから、売り主様と、専属専任媒介契約を結んでお仕事を引き受けました。
20日程して、名の知られたある業者から買付証明書が入り、早く決まりそうで良かったと思い、売り主さんにも報告した所、喜んで下さいました。
早速話を進める段取りをしていた所、売り主さんから電話が掛かってきた。
「○○業者の男性2人が我が家に来て、
「直接やらせてくれ」と言って、今帰ったばかりだ」
と言う内容です。
宅建業法上での当社の立場は、
売主と専属専任媒介契約を結んでいるので、他業者は当社を超えて売主と直接交渉することは出来ないのです。
売主さんは当社を信頼して任せてくれたのであり、○○業者が直接来たので、変だと思って即座に知らせてくれたのでしょう。
私は「良く知らせてくださいました。有難うございます。
早速○○業者に連絡してみます」
と言って、電話を切り、折り返し○○業者の担当者に電話した。
「今、売り主さんから連絡が入りました。取り敢えずその足で我が社に来て下さい」
数秒、間があり、ちょっとビクッとしたような声で、
「はい」と言った。