私の仕事を夫も少しずつ認めてくれるようになり、売買契約の時など、自身の時間がある時は出席してくれるようになった。(夫は仕事内容にも興味を抱くようになっていたし、何かと協力的になっていた)
私も、女一人より、横に男性がいる方が重みがあってよい。いい具合だと思った。
友人から、ある土地が欲しいと言う相談を受けた。
欲しい土地は決まっているらしい。(上物はなし)
友人の家の近くで、50坪位の整形地。草ボウボウだった。
土地の登記簿謄本を取ると、所有者は、銀行・国税に差し押さえられていて借金だらけだった。
私は友人に「相場を調べると、○○〇万円位だけれど、それ位用意できるかしら?」と聞くと、「用意できる」という。
そこで、私は先ず所有者に会って話をし、売って整理をしたい気持ちがある。という事を確認しました。
第一抵当権者は銀行なので、まず銀行の担当者と話し、第二抵当権者の国税とも何度か交渉し、両者の抵当権抹消の金額を合意しました。
わずかだが、土地の所有者にも少しお金が残ることになる。
この取引の決済は一度で行われることになった。
当日は、1つでも書類の不備があければ事が進まない。(又、改めて、という事は出来ない。当社は大恥をかくことになる)
司法書士や銀行・国税に何度も必要書類の打ち合わせをし、売り主には、権利書・印鑑証明書、買主には住民票等、それぞれの書類を用意してもらい、通帳、印鑑の種類(認印・実印・銀行印)等を細かくお願いし、特に、売り主さんには出向いて確認させて頂いた。
(当日は、売り主さん・買主さん忘れ物をしないでください。と心の中で願った)
新宿の、第一抵当権者銀行の1室で決済をすることになり、債権者(銀行・国税)への債務清算の前に、売主と買主の売買契約は当社で済ませておいた。
決済の場所の銀行には、銀行員(3人)・国税の職員(2人)・売主・買主(夫婦)・司法書士そして私・夫、合計11人が集まって決済をした。
1時間半位して、無事終了し、司法書士は書類を持って所有権移転の手続きの為、法務局に向かった。
銀行が第一抵当権者だったからこの話は成立したが、国税が第一抵当権者だったらこのようなケースは公売になる話だ。そうしたら、広く公開されることになり、友人が確実に取得することは難しかっただろう。
友人は喜んでいた。
「アー、ヤレヤレ、滞りなく無事終わってよかった」
夫は「よくやったね」と言ってくれた。(有り難う)
今回は国税の人まで来て、珍しい出席者だった。