投資会社と顧客

当社の売買もまあまあ順調で、よさそうな物件があれば購入し、リフォームして(トイレ・バス・キッチン・床・壁紙等を新しく取り替え)販売します。

 

当時は新宿・赤坂・港区等の物件も手に入れやすかった。     

売りに出せば1~2ヶ月で売れた。時には暫く賃貸にする事もありました。

今から思えば、都心の物件はもう少し残しておけばよかったと思うが後の祭り。

 

東京近県や大阪の物件も扱った。           

大阪で育った私には、なじみの地名が出てくると懐かしく、ついつい買ってしまう。

物件を見に行かなければならないが、夫と旅行のつもりで出かけ、ついでに観光もした。

目的があると出かけやすい。

すぐに売ったものもあるが、数年持って売ったものもある。

 

 

投資ブームが来て、あちこちで大家さんになる講座が開かれたりした。

そんな講座を開いていた、ある大人気の会社は、部屋から椅子がはみ出す程受講生が

来ていた。

 

講座を開いていた会社は、

「不動産投資をすればこんなに儲かりますよ」

と講義している訳だから、その気になった受講生は物件が欲しくなる。

 

講座を開いていた会社は、次に受講生に物件を紹介しなければならない。

不動産投資をしたい受講生だから、投資会社の物件は直ぐ底を尽き、物件探しに躍起になる。

 

当社にも頻繁に電話がかかってくる。

大体1000万円台から3000万台くらいの物件です。

当社はその価格帯の物件が4つ位あってみんな賃貸に出していた。

1つは売っても良いと思い、その投資会社に出した。

 

投資会社のお客様は物件を買いたいのだから、すぐお客さんがつく。

売買契約の時、買主は喜んでいた。

 

1つ売ったものだから、投資会社から「もっとないか?」

と電話がかかってくる。

 

買いたい受講生が列をなして待っている状況だから、物件探しに躍起だ。

当社に何度も来て、「売って下さいお願いします」と懇願する。

 

夫に相談したら、「売り時と考えて売ろう」と言う。          

(この頃、夫は私の仕事に対し、色々意見を言うようになっていた)

でも・・・と思ったが、

夫の意見を受け入れた。

 

その投資会社は大喜びだった。

売りに同意した当社も立て続けにすぐ買主さんが決まる。

 

買主さんは地方の人がほとんどで、新潟の社長さん、長野の方、兵庫の会社員の方等々。

この兵庫の方は未だ39歳で若かった。

 

兵庫から出向いて来られ、港区の銀行の1室で決済を行いましたが、

 

「この物件を買えて嬉しい。ずーと所有します。そして子供に手渡したい」と、売り主の当社に話してくれたことが忘れられない。                             

 

その後、マンション価格は上昇し、どの物件も値上がりした。

買主さん達にも良かったと思っている。