当社の近くの築32年の一軒家の家を買った。
あまりに近いので、「これは好都合」ナーンて思っていた。
しかし、家の中は痛んでいた。居間や台所の床はキシム音がする。
2階に上がる階段も、キシム音が2ヶ所ある。
中の仕様も昔風でお洒落な感じがしない。
大工さんと一緒に調べようと思って大工さんに来てもらった。
大工さんの意見は、居間と台所は床をはがして根太をやり替えましょう。階段も軋みが出るので、その手当をしましょう。
建物の構造上問題がない範囲で、間取りをもう少し使いやすいように変更しては如何でしょう。お風呂やトイレ、洗面所、キッチンも新しくした方が良いでしょう。
屋根は問題ないようですが、外壁塗装をした方が良いでしょう。
と言うものだった。
私も同意見でした。
部屋の変更間取りを考え、玄関は、家に入って一番目につく所ですから、今風の雰囲気が出るように。
又、台所回りは特に使いやすいように動線も考えた。和室はすべて洋室にした。図面を書いて、大工さんに手渡し、お願いした。
見積もりを出してもらったら、まあ、それなりの金額でした。
全面改装になってしまった。
中を見るまでの予想予算より、大幅にアップしたが、早速、お願いし工事が始まった。
工事中は大工さんにお任せし、時々進行状況を見に行った。簡単な手直し程度はあったが、順調に進み、最後の外壁塗装も終わったら、見違えるような奇麗な家になった。
工事前、工事中、完成の写真は撮っておいた。
(購入者さんに写真を見せ、建物の改装内容を知らせ、理解してもらう為です)
改装費用は当初の予算を上回ったが、売り出し価格は相場の価格より少し安くつけて売りに出した。
反響は良く、見に来るお客さんも多かった。
その中の一人の女性客が「ぜひ買いたい。私を1番手にしてください」と言う。
話を聞くと、夫と、小学生の娘の3人家族らしい。
「ご主人は未だこの家を見ておられないのでしょ?
ご主人も一緒に購入の意思がなければ難しいのではないですか?」
「分かっています。明日、主人を連れてきます。それまで保留にしておいてください。お願いします」
あまりに熱心に言われるので、
「はい分かりました。明日ご主人が見られるまでは待っています」
翌日、ご主人と娘さん、三人で内見された。
小学生のお嬢さんは、2階に行ったり、あちこちを覗いて楽しそうにしていた。
ご主人も丹念に各部屋を見て、色々質問されるので、私は、この部分を新しくこのようにしました等、工事中の写真を見せご説明した。
ご主人も気に入られた様子。
翌日、購入の意思を示されたので、「買い付け証明書」を入れてもらった。
金額の一部は現金で、残りは住宅ローンを使いたいとのこと。ローンはご主人の会社と取引がある銀行にしたいと言うので、買主さんにお任せしたが、途中経過は報告して戴くようにした。
1週間後、ローン条項付きの売買契約を交わした。2週間後、銀行のローン審査も通リ、最終決裁日も決まり、無事建物を引き渡すことが出来た。
物件は近いせいもあり、時々ご家族とお会いする事があるが、笑顔で「こんにちわ」と言って下さる。表情から喜んで頂いてるようで良かった。
しかし、
近い物件は、工事中は便利だけれど、売却した後も買主さんとすれ違う事も多く、其の度に挨拶をかわし、何となくいつまでも気になるものだと思った。
(少し離れている方がお互い気が楽かも)