会社の経営はまあまあで、お家賃は支払えているし、少し貯金も出来た。
私の最大の欠点は、営業が出来ないことです。
路面店だから時々大家さんから「お部屋をお願いします」と来てくれるのはありがたいけれど、自分から営業を掛けるのは苦手だし、行かない。
これでは事業拡大、ナーンテありえない。
（こんな我儘な私だから、夫が長続きしないと思うのも無理はない）
これは性格もあるから・・どうしたものか？
何人かのオーナー様から、ビルやアパートの管理を頼まれているが、不動産と言う仕事は、お部屋を借りたい方にお預かりしているお部屋を紹介する、という仕事だけなのだろうか？この状態でこの先ズート同じ事をやって行くのだろうか？売買の依頼の仕事は不安定だし・・。
賃貸の仲介手数料で、豊かではないが必要経費も賄えているから不満はないのだけれど、
判然としないが、何かモヤモヤな気持ちが心の中にある。何か物足らない気持ちが心の底にくすぶっていた。相談する人はいない。夫にも相談したくない。
相談したら（もうやめたらどうだ、君には無理だったんだよ）と言うに違いない。
どうしたら良いのだろう？
言葉としてそうした気持ちを表すことは出来なかったけれど、頭の隅に常にあった。
営業が苦手な私は、自分の使える能力で出来る不動産は何か？
不動産は幅が広い、賃貸・売買・コンサルティング（不動産コンサルティングマスターと言う資格も取得した）等、広い。
自分で企画すれば良いのでは？と思う。
しかし、何をどのように企画すればよいか？見当もつかない。
考えた。１年位考えた。
売買だ。お客様に頼まれた売買ではなく、自社で仕入れた物件を売る。
家や土地を売ってほしい。買いたい。というお客様も今までに取り扱ったけれど、女１人でやっている不動産屋なんてお客様も、大丈夫かな？と心配してあまり来ない。
さもありなん。
そう、我が会社には従業員がいない。それには理由がある。
以前、学生時代の友人が働きたいと言って押しかけてきた事がある。どうしても働きたい、と意欲マンマン。
知らない人ではないし、その気持ちに押されて、１年位働いてもらった事がある。勿論お給料も出した。
しかし、その１年間、夫はご機嫌が悪かった。
私の夫はサラリーマンだけれど、自分の仕事が終わると会社に迎えに来てくれて、一緒に帰る。
その時、従業員がいるのが嫌らしい。（彼女が嫌いな風ではないが、他人がいることが嫌なのかナー。よく分からないが、嫌らしい）
それに、世間知らずの私が（今でもそう思っている）いつまで出来るか分からない。
だから、「すぐ会社を畳めるようにしておきなさい」とよく言う。
私も「そうだな」と思っていたが、それにしては結構続けられている。
まあ、私は家庭の事は半分位しか出来ないし、夫は洗い物や、洗濯の手伝いをしてくれる（料理はしない）やさしい人なので、夫の気持ちを尊重している。
しかし、私と夫の気持ちには少しズレがある。
夫は、「その内仕事はやめるだろう」と思っている。
きっと、心の中では専業主婦に戻って欲しいと思っているのかな？
だから、自分の知り合いに（妻が不動産の仕事をしている）事は話さないし、秘密にしている。
以前夫は宅建の資格を「君には役に立たない資格だよ」と言ったことがある。
秘密にしているのは自分の仕事と不動産がミスマッチと思っている所がある。
私は、夫とは関係なく、自分の力で、自分の能力で、分相応の仕事が出来れば良いと思っているので、夫は夫、私は私、で良いと思っている。
（ミスマッチのどこが悪いの？プン😠）
夫の仕事とは関係ないので、秘密にしていても構わない。
ここまで来たら、やめる事は出来ない。ごめんネ。
だからと言って、夫婦関係が悪くなることはなく、お互い仲は良いし、信頼しあっている。
その後、お友達の従業員は、彼女の夫の転勤を期に会社を辞めた。
それから夫はご機嫌よく迎えに来てくれる。
従業員に、してもらう仕事もあまりなく、それ以来、従業員を雇う事には消極的になった。
この頃は自分の中では（勝手な）悩み多い日々だった。
