45 借地権付建物  (借地非訟 3の3)

夫はこの頃には、私の良い相談相手であり、相棒です。

 

私は組織の中で働いた事がなく、

 

上司であるとか、キャリアがある上の方とかを

あまり意識をすることがありません。

 

同じ土俵で話し合えれば良いと思っています。

 

登記簿謄本を見ると、

地主さんは親戚の方(前所有者)から(多分子供もいなかったのでしょう)

多くの不動産を贈与で取得された方です。

 

地主になって間もない方で、自身が引き継いだ全ての不動産の事を

この弁護士事務所に相談していたようです。

 

かなり多くの不動産の贈与だったので、

弁護士さんも他の仕事も抱えながら、あれこれ忙しかったのかも知れません。

 

簡単に片づけたかったのが本音でしょう。

 

しかし、弁護士さんもこの制度は十分承知のはずです。

承知だからこそ、

 

何とか2ヶ月をやり過ごせば、私側は窮地に追い込まれるわけですから、

 

弁護士さんの計画では、

楽にうまく事が運ぶと楽観視していたと思われます。

 

こちらの申立書に対して、弁護士事務所からの答弁書には

12人の弁護士の名前が書かれていました。

(しかし、出席するのはその中の1人と思われます)

 

原告側は代表者が出席ですが、

裁判官(48歳位・男性)にお願いし、

(夫も会社の役員に入っているので)

2人の出席をお願いしたところ、承諾して頂きました。

 

裁判官は原告に優しく、

色々配慮してくれる態度でしたので、安心しました。

 

第1回目の話し合いの日時が決まり、裁判所に出向きました。

 

しかし、相手側は1回目を欠席しました。

(こうした事は儘あります)

 

その日は簡単に終わりました。

 

2回目、

相手側は、代表者の弁護士ではなく、担当になった

若い男の弁護士が一人で出てきました。

 

私は名刺を出して挨拶しましたが、

相手側は目を合わせようともせず、名刺も出しません。

 

「お名刺を戴けますか」と言うと、

しぶしぶ名刺を出した状況でした。

 

(予想通り、初めからあまり感じが良くありません。

この事案にプンプンしている事が分かります)

 

その様な状況で、

3度目の話し合いの時、相手側から

 

「土地を売りたい」との申し出がありました。

 

「土地の売却」と言う提案は、

 

当方にとって、土地の所有権を取得することが出来るし、

今後、嫌味な地主さんや、思い通りにいかないからと、怒鳴る弁護士と付き合うより、

その方がスッキリして良いかも、と考え、

 

「価格について合意ができれば、購入の気持ちはあります」

 

と返答致しました。

 

(裁判官も「購入した方がよいですよ」と、

相手側が居ない所で、

コッソリ助言してくれました)

 

有り難うございます。

 

その後の4回目の話し合いは、裁判官も交え、

価格も合意し解決を見ることが出来ました。

 

(怒鳴る弁護士事務所さんサヨウナラ、

今後は怒鳴らないで、大人の対応をした方が良いですヨ)

 

今回初めての経験だった事があります、

それは、所有権移転の登記をするのに、

 

「和解調書の執行分」という、裁判所の債務名義を法務局に提出し、

所有権移転の手続きをした事でした。

お陰様で無事、この事件を解決出来ました。

 

その日はレストランで、

夫と二人で、ワインで「カンパーイ、お疲れ様」

と言って食事をしました。

 

その後、建物はリフォームし、賃貸に出した所、

入居の希望者があり、

ご夫婦・中学生の娘・小学生の息子、の4人ご家族にお借りて頂いている。