57 困った売主さん(番外)

今回の「困った売主さん」の件を、

私は違った角度で考えてみました。

 

オーナー様について考えた事。

私の妄想です。

すでに書いた事も重複いたしますが、ご容赦下さい。

 

 

 

お世話になっております。

有り難うございます。

申し訳ない。

 

と、オーナー様は多用されます。

何故なのか?あまりに多用されるので、耳から離れません。

何度も聞くと、本来の言葉の意味と離れて、次第に嫌な感じがするのです。

その様なご性格だと言えばそれまでですが、

 

「有難うございます」と言われて、

「アー、喜んでもらえて良かった」と素直に私に伝わる、

「有難うございます」はありますが、

オーナー様の「有難うございます」は素直に伝わらず、

違和感があります。

 

オーナー様は

粘り強く、諦めない

当方が断っても、尚、連絡してくる。(1度や2度ではありません)

 

こうした行為は中々出来る事ではありません。

単純に、こうしたご性格だと思えないのです。

 

「お断り致します」と2度も言われれば、普通の方は諦めます。

しかし、オーナー様は諦めない。

 

現役時代、仕事に対してどのような姿勢で向かわれていたのだろ?

と考えてしまいます。

 

順調に進まない、難しいお仕事もあったでしょう。

しかし、断られて完全に糸を切るのではなく、細い糸を残しておく。

 

場面が変われば、その細い糸が生きることがある。

 

仕事をする中で、Aさん・Bさん・Cさん、それぞれに性格が異なります。

ある甲企画では、Aさんの性格が有効であり、乙企画ではBさんが活躍し、Aさんは役に立たない。又、別の企画ではCさんが活躍する。

ということもあるでしょう。

 

物事はどの様に展開するか分かりません。

将来の布石の為、異なる意見も細い糸でつないでおく。

仕事の場面での展開は、時として180度変わり、思わぬ方向に進む事もあります。

 

その時の為の、

 

お世話になっております。

申し訳ない。

有り難うございます。

 

という事(細い糸)ではないだろうか?

 

相手に断られても、上から目線と受け取られることなく、相手に不快感を与えず、

次に連絡をした時に相手と話が出来る雰囲気作りを残しておく。

 

「ガッカリした、ショックです」と言いながら、

お話しぶりは、いつも穏やかです。

 

心の中では、「断られて腹が立つ」と思っているのかも知れません。

しかし、穏やかに話されます。

 

老練な、ある意味高度な、非常に緻密なテクニックです。

そうして、最後にご自分の計画を成功させる。

 

仕事場でオーナー様は、省内外で色々な方々との交渉を多く経験されておられるはず。

 

そんな事が頭に浮かびます。(妄想です。)

 

その後、オーナー様の奥様は、癌が転移されたようで入院されました。

其のことを気落ちした様子で

 

「毎日見舞いに行っています。時間がなく大変です」と話されます。

その状況に、私の心も揺らぎますが、

私は仕事として出来るか・出来ないか、の立場を

ブレないように、優先したいと思います。

 

 

各省庁の偉い方が、国会答弁等で、私には訳が分からない答弁をされている事がありますが、私の頭は単純ですから、回答されている事がよく理解できないことが殆どです。

 

あまり複雑な思考で来られると、私の頭の中の糸が絡まって、ほどけなくなります。

受け入れる事が出来なければ違和感が生まれ、心を病んでしまいます。

私は、素直に受け入れられる、単純な方が良いです。

 

オーナー様の、心の奥を考えるのは疲れます。

結果、このオーナー様のご依頼をお断りしたのは、

私自身の仕事の為に、良かったと思っております。

 

「この不動産屋は使えないナー、だめだナー」

と思ってもらいたいものです。

 

本当に使えない不動産屋なのですから。