夫と私はお見合いから6ヶ月で結婚しました。
見合いと言っても、夫の姉、私の姉、私の3人は音楽を通じて知り合いでした。
そんな関係で夫と見合いをしたのです。
優しそうな人だと思いましたが、
お付き合いをしたことがなかったので、夫の性格をよく知る事もなく、
不安な気持ちもありましたが、
「何とかなる」と思っていました。
結婚後は、大阪から東京に住むことになりました。
夫は大学から東京だったので、知り合いや友人もいましたから、特に生活環境の変化はありませんでしたが、
私は、初めての土地で知る人もなく、地理も分からず、
近所のお店も分からず、
食料を買うのも初めてお店ばかりで、
不安の方が大きかったです。
二人の生活が始まると、
夫は食べることが好きなようで、私に注文を出してきました。
「月・火・水は肉料理、木曜は魚、金・土曜日は肉料理にして欲しい。
そして、前菜からデザートまで食べたい」 と言うのです。
「エ~~~~~~!」
夫は美味しいものを食べるのが好きなようです。
料理は洋食がメインで、和食は殆ど注文がありません。
(私は和食好みです)
夫は、26歳から3年間フランスに留学していて、フランスがとても気に入った様子。
フランスかぶれです。(フランス語は上手です)
その為かどうか分かりませんが、日本食より洋食を好みます。
(ある意味憧れだと思う)
私は、結婚前、料理をしたことはなく、料理学校に通ったこともなく、
キャベツを炒めること位しか出来ません。
頭の中がパニックになりました。
その頃は私も大人しく、働いてもいなくて、周りに私の味方になってくれる人もなく、
夫に言い返す事も出来ませんでした。
(しかし、前菜からデザートまでとは厚かましい!
デザートは買って来たものにしよう)
取り敢えず、コンパクトな料理の本を1冊買って、1ページ目から最後のページまで、順番に作ることにしました。
本を一巡し、それをもう一度はじめから作りました。
本を2巡した頃、何となく料理のコツが分かった様な気がしました。
私は、料理が下手な事が悩みでした。
所が夫は、私が作るものに、それなりに満足しているようでした。
が、料理って、残り物が出るのが常ですが、翌日夫は残り物を食べません。
毎日、毎日残り物がでます。
夫は学校の先生で、お昼は職員食堂で食べます。
お昼弁当を作らなくて良かった事は、嬉しく、ホットしました。
そんな事で、私はお昼は残り物を食べて、自分の為には作りません。
まだまだ料理に慣れていない私は、お昼が過ぎると夕食を作らなければならない事が気になって仕方がありません。
料理の本が気になり、料理番組が気になり、私の頭の中は1日のほとんど、
料理の事ばかり考えています。
料理を作ることが好きな人は、こんな思いをしないのかしら?
他の主婦はどうしているのかしら?
私は料理を作ることが嫌いで、主婦に向いていないのでは?
等、考えました。
兎に角、毎日毎日が苦痛だったのです。
大げさに言えば、地獄の日々でしょうか。
「夫は自分の事を王様だと思っているのかしら?」
なんて思っていました。