事務所の日常は、時々営業の人が来たり、大家さんが来て、「お部屋が空いているので見てほしい」とか、業者さんから当社が管理しているお部屋の問い合わせとか、お部屋を探しているお客様が来たり、とかです。
お客様には私も借りる気分で一緒に広告を調べたりします。大家さんは用事だけを伝えて帰られる方もいれば、おしゃべりが好きな大家さんは長々と話し込んでいく方もいます。
「この店はあまり流行っていなさそうだから、長居しても良いだろう」と内心思っているのかも知れません。
宗教の人も良く来る。立正佼成会・ものみの塔・創価学会等、常にお断りしているが、ある教会は500メートル先に教会があるので、何度も来る。
3人~5人位で、熱心だ。とうとう困って「信じているものがありますので」と言ったら直ぐ帰るようになった。
大家さんの中で何度も来る大家さんがいる。お部屋が空いていると言ってくれる。
お話しして段々分かった事だが、この辺りの大地主(A地主)さんらしい。
一見普通のおじさんで大金持ちにはとても見えない。
つっかけを履いてラフなTシャツの格好をして、いつも自転車移動をしている。
お店に来る時は、くたびれた布袋に書類を一杯いれて持ち歩いている。
其の内、袋から書類のファイルを取り出し、説明し始める。
書類の厚さが凄いのだ。机一杯になる。
全部自分所有のマンションや、貸地、借地人の資料だと言う。数が多い。
(つまり、ご自身の全財産の書類を持って来る)
「父親から相続した時は相続税を数億払った」と言う。
(相続税が数億だから、所有不動産は・・?です)
その大家さんの返事には「すごいですね」としか言いようがない。
それでも話し続ける。2時間。私は疲れた。
「早く帰ってくれないかなー」内心思う
(私は慎ましく自分の仕事が出来ればいいのだから。人の財産の話を聞いても困る)と思った。ところがそれからも来る。
一応お客様商売だから「いらっしゃいませ」と愛想よくしている。
大地主(A地主)さんは、新築のマンションを建てたので、その管理をしてほしい。と言ってきた。
どうしよう?
話の長い地主さんだし、お付き合い出来るかな?
でも、新築のマンションだし、(新築と言う所は魅力がある)不動産の仕事をしているのだから、ありがたいと思ってやらなければと、決心した。
その後、その大金持ちの地主さんから、借地の共同売却の話や、借地の更新・地主さん自身の所有マンションの売却・購入等、色々お話を戴いた。