2023-01-01から1年間の記事一覧

お金持ちの地主さん 2

しかし、このA地主さんは良く来る。 話が1時間から時には2時間に及ぶこともある。それが毎週の事なのです。 夫は私の仕事を手伝いはしないけれど、時々店に出入りしている。 時には顔をあわせることもあるから、私が独り身ではないことは分かっているはず…

お金持ちの地主さん 1

事務所の日常は、時々営業の人が来たり、大家さんが来て、「お部屋が空いているので見てほしい」とか、業者さんから当社が管理しているお部屋の問い合わせとか、お部屋を探しているお客様が来たり、とかです。 お客様には私も借りる気分で一緒に広告を調べた…

歌舞伎町ナンバーワンホストのお客様 2

翌日も又ホストさんは迎えに来てくれて、一緒にお部屋を見に行った。 最後のお部屋を見た彼は、気に入ったようで、 「ここにしよう」と言う。 「ちょっと日当たりが悪いお部屋だけれど、大丈夫ですか?」 「窓は開けないで、日中もカーテンは閉めているので…

歌舞伎町ナンバーワンホストのお客様 1

「こんにちは」とお部屋を探しているお客様が来店した。 おしゃれなハンサムな(ちょっと派手な)お客様だ。24~25歳位。 彼はいきなり、 「自分はホストだけれど、それでもOKのお部屋をお願いします」という。 開口一番、ホストを名乗るお客様は初めて…

海坊主のような大男の所有者 3

「マンションの中の荷物を全部買わせてください」と私は単刀直入に提案した。 「そうか、そういう事か。気に入った」と、男はハッ、ハッ、ハッと大きな声で笑って言った。 「いくらだ?」 (私は、私なりに計算した金額(現金)を封筒に入れ持参してカバンの…

海坊主のような大男の所有者 2

今回は、一人で会うよりも男性の姿が側に有った方が良いと思ったので 夫に「一緒に行って欲しい」とお願いしたら、 「勿論いいよ」と快諾してくれた。 (夫は、言わないけれど、私がどのような対応をするのか興味がある様子) 前所有者の住所は千葉になって…

海坊主のような大男の所有者 1

私は登記簿謄本を調べ、その所有者がなぜこのような事態になったのか? その人の歴史と言うか、経緯等を考えるようになっていた。 姿形は分からないけれど、その人となりが、おぼろげながら掴めるような気がする。 (ある不動産を調べなければならない時は、…

競売の占有屋 2

後日、○○さんは又来た。 早速金額の話になり、彼の金額は私が提示した金額より40万円高かった。 「そうですか。そこまでは難しいので、真ん中を取って20万円上乗せで如何でしょう?〇〇さんと当社と半分ずつ痛み分けとなります。承知して頂けるなら、今…

競売の占有屋 1

少し慣れてくると、雑な気持ちになる事がある。家庭でイライラすることがあり、夫と口喧嘩したりしていました。そんなこともあって、あまり気持ちが集中しないで入札した新宿のマンション。中に入居者の方が居ました。それも占有屋。 民事執行法が2004年…

競売に興味

競売と言うと、「お金に困って支払えなくなった人の物件を買ってひどい。」 という声も聴きますが、私はその様には考えませんでした。 ひどい、という人々は債権者(主に銀行)が債権回収しているという事はあまり考えず、最終段階の買った人が、全てを企画…

営業が出来ない不動産屋(どうする?悩み)

売買と言ってもやはり営業がつきもの。 当社にも営業に来られる方が良くある。飛び込みで、「売りませんか,買いませんか」という営業。 これがやはり苦手。できない。 お客さんの方から依頼されて「自宅を売ってください。買いたい」と来られると、 バンザ…

従業員は雇えない

会社の経営はまあまあで、お家賃は支払えているし、少し貯金も出来た。 私の最大の欠点は、営業が出来ないことです。 路面店だから時々大家さんから「お部屋をお願いします」と来てくれるのはありがたいけれど、自分から営業を掛けるのは苦手だし、行かない…

スナックのママの話 3 (宗教)

前述の、スナックのママとは色々お話しするが、昼食時にお手伝いに来ているオーナーの妹さんも私の店に来て話をする。両方から話を聞く。 姉妹だから本人には言えなくても、色々言いたいことがある様子。 度々ママの店から避難してくるようになった。私が告…

幸福通リの土地収用 (売買)

土地収用は道路を挟んで、向かいの通りもそうだ。 私が借りたこのビルは、収用が終わって新しく立て替えたビルだけど、今最中の所もある。向かいの数件先の3階建てのビルのオーナーさんは、借地だが60坪ぐらいあり、又、隣にもアパートを持っている。商業…

スナックのママの話 2 (売買)

買主さんは都庁に努めるお役人だった。 契約日も決まったので、重説・契約書作りに、おおわらわ。 当日は売主・買主・不動産屋の友人も立ち会い、契約は進んだ。 買主さんは税金の事は詳しく、私がまごまごしていると、「こういう事ですね」「はいそうです」…

スナックのママの話 1 (初めての売買)

初めての売買のお話だ。 頭をクルクル働かせ、今まで勉強して覚えた知識を総動員して手順を考えた。 ご主人は塗装屋さんで、バブル時仕事は忙しく、順調で大きく儲けたらしい。 ご主人の景気の良い時にママは結婚したのだろう。 所が今、不景気の波がご主人…

近隣のビルオーナー (ここは幸運通り)

私の店の並びは土地収用された所ばかりだ。五軒先も建築が出来たばかりの4階建てのビルがある。そのビルのオーナーさんご夫婦が店に来た。 (このオーナーさんも収用された方) 2階から上はお部屋なので、管理と募集をして欲しい。と頼まれた。 「1階は店舗…

大家さんご夫婦

この事務所を借りてから、ここの大家さん(60歳代)が三ケ月に一度は夫婦で連れ立って訪ねてくる。 お部屋を借りたことがないから「そんなものなのかナー」と思っていた。 ご夫婦は二人で私が借りている事務所の中(共用部分ではない)の掃除を始めるのだ…

法律をもっと深く

勉強を始めて見るとそんなに甘くない。 周りは法学部の現学生、卒業したばかりの人で、若い人ばかり。 卒業して3年位経っている男性は、弁護士にかけている風で、服は粗末で靴や靴下には穴が空いている。でも彼はよく笑って明るい。 そんな人達も私を受け入…

会社は3年が、まず目標

会社を始めて1年半を過ぎた頃、営業マン風の若い女性が訪ねてきた。 話を聞くと、「女性で起業した人を訪ねて統計をとっています」と言う 「なぜ会社を作ったのか、この業種を選んだのは?」と聞かれた。 自信をもって答えられなかった。 「社会と関わりた…

お2階さんは金融屋 2

ある日従業員が左手に大きな包帯を巻いて帰って来た。 「どうしたの?大きな包帯をして骨折でもしたの?痛々しいわね」と言うと、 彼は「医者で小指を切って来たんだ。」と言った。 とたん、私の頭の中は彼の言葉を理解しようとパニックになった。 (医者で…

お2階さんは金融屋

この事務所は1階だけれど、2階には金融業の事務所が入っている。いわゆる「金貸し」。 事務所を借りる当時の私は、(又、笑われるかもしれないが)2階が金融屋とは気づかなかった。意識もしなかったし、全く目に入らなかった。 金融屋の袖看板は見ていたが…

社長の椅子に座ってみた

会社名は、夫が「僕が考えよう」と言ってくれたのでお願いした。 社名はカタカナ名で、社名だけだと何の会社か分からない。 夫が「この名前なら不動産が駄目になっても他の業種にすぐ移行できる」なんて言う。 そんな事を考えていたんだ。長く続かないだろう…

いよいよ事務所を借りる

法学部を卒業する半年前、いつも通る所に貸事務所の募集が貼ってある事務所があった。 新築の4階建ての小さなビルだったけれど、1階は暫く空いているようだ。そこを通る度に気になって物件を見る。「まだ決まってないんだ」 その場所は道路拡幅で、建物が壊…

目覚めた私 2

主婦だけではなく何かしたい。 花屋、洋服や、食べ物や。色々考えたが、ピンとくるものがない。 せっかくの資格があるから不動産屋はどうかしら? 夫に話すと、勿論夫は反対、家族の誰も賛成しない。 実家の母に話すと毎日電話をかけてきて、「やめなさい、…

目覚めた私

結婚当初私は、主婦の義務と思って嫌いな家事をこなしていたが、家事は好きではない。 そのせいかどうか分からないが、私はフット心に穴が開いたような気持ちになる事がある。 そんな疑問を持つこともない方が幸せなのかも知れない。しかし、その疑問の思い…

どの様な人生を歩むのか、生きてみなければ分からない。そして、挑戦しなければ何も始まらない。どの人も自身でさえ気が付かない能力や才能が体の中に眠っている。その才能を仕事と社会と共に育てるのです。私はこの仕事を始めるまでは現在の自分を想像する…